体罰について若い選手たちが語ると

夏に出されたヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)の報告書によると、体罰が違法であっても、「優勝者を育む」過程で虐待を受けている子供が日本の競技場やスポーツ場にて未だにたくさんいる。

HRWグローバル活動ディレクターのMinky Worden氏は「何十年もの間、トロフィーやメダル獲得の名のもとに、日本の子供は身体虐待や暴言に襲われてきた」とHRWのウェブ・サイトで説明した。「2021年のオリンピック・パラリンピック開催準備に入り、世界からの注目は日本、そして世界中の何百万人もの子供選手を守るために、法律や政策を改善するための、世代に一度のチャンスをもたらす」と。

7月にHRWにより公表された報告書は「数え切れないほど叩かれた」という題だ。これは数百名の選手による、辱められたり、殴られたり、身体・精神的に虐待されたりした様子を告白した証言が、67ページに集められ、何ヶ月もの調査の結果を示す。5件には、性的虐待もあった。できるだけ多くの選手の回答を得るため、HRWはインタビューや全国オンライン調査を実施した。調査回答者は50種類以上のスポーツ選手で、顔を殴られ、蹴られ、バットや竹刀などで叩かれ、水を否められ、ホイッスルやラケットで鞭打たれ、性的虐待・ハラスメントされたことを報告した。

記者会見にてHRW日本代表の土井香苗氏は「この証言は非常に衝撃的」と述べた。ある23歳選手はチームメイトと一緒にコーチによって頻繁に叩かれたと言い、お腹に殴られたことや蹴られたことも述べた。彼は報告書の中で、「コーチは殴るとき、何回も何回も繰り返し、一度では止めなかった」と説明した。残念ながら、こういった件はけして珍しくはなく、似ているケースが何ページにも渡る。歯が折れたり口から出血したりして、「家庭内だと事件と認識され、それはもちろん良いことだが、、このようなことが頻繁に起きているスポーツ場でも同じであるべきだ」という土井氏。小どの物虐待は日本の学校やスポーツ連名やトップレベル試合において未だに横行している「暴言と体罰がチャンピオンを生みだすと誤って信じてしまっているコーチ」が未だに多い。

HRWは来たる東京オリンピックをきっかけに日本における虐待に集中した調査をすることにした。「体罰は残念ながら日本のスポーツに続いていると知っていたのだ」。報告書にて、体罰、そして暴言や身体虐待をも経験した50人の選手はストーリーを説明した。オンライン調査は757名の回答者を得て、うち、381人は25歳以下だった。体罰の他、過剰量を食べさせられた(24%)、十分な水や食べ物がもらえていない(7%)、怪我があっても強制的に練習をさせられたり過剰なトレーニングに苦しんでいる(22%)などの証言もあった。性的虐待の5件は女性選手から来た。「現場にいる選手たちにとって報告するのが非常に難しくて、こういった数字は実際に現実を反映しているか分からない」。

「これほど多くの件数が最近把握できたため、日本で減少傾向があると言えない。被害者を助けるメカニズムも不足している」と土井氏はまとめる。過去何十年かで、政策改正により家庭内の子供虐待や学校での虐め、職場でのハラスメントは大幅に改善してきたが「スポーツ場にまだ適応されていない」。なぜなら「日本の上下関係や習慣によりこういう行動は受け入れられている」と、記者会見に土井香苗氏の隣に出席した山崎卓也スポーツ弁護士は加えた。「コーチはけして悪意を持っていなく、単純に良い選手を作りたいと思っている。体罰を歓迎している両親さえもいる。子供が虐待を安全に報告できる場所を設け、ちゃんと対応できる枠組みを作らなければならない。今のままだとコーチに反することを言うのが非常に難しい。、今のあり方は廃止すべきだ。」

小林恵子氏の息子は15歳の時に柔道のコーチに叩かれた。彼は今30歳だが、重度障害のため一人生活は生涯不可能だ。「中学3年生の時に、息子は柔道が得意であるため、ある高校に入学できるとコーチに薦められたけれど、拒んで別の学校に通うことにした。」練習中にコーチは柔道の技を使って彼に怪我をさせた。「2度首を締めて畳に投げ、大量の脳出血をさせた。奇跡的に手術で息子の命は救われたけれど、重度の脳傷害があった。」その後コーチを民事裁判所に起訴しようとしたが、事故とみなされ告訴は取り下げられた。「検察によると、柔道着を着ながら柔道技で道場で起きたことは、犯罪と柔道を区別するのが非常に難しい。」コーチは処罰されず、未だに柔道を教えている。

1983年以降、柔道練習中に121人の子供が亡くなり、昨年1人の5年生の命も失った。小林恵子氏は「私の息子は特例ではない。こういった『事故』による障害で苦しんでいる子供はどれぐらいいるか計り知れない。」と嘆く。「日本では事故が未だに相次いでいる。記録したデータ上だけでもこのように亡くなった子供は121人がいる。」これ以上の記録していない被害者がいる可能性は十分ある。息子の事故の後、全国柔道事故被害者の会を通して柔道部で行う暴力に反対する活躍を始めた小林氏。「過去20年間、日本国外で柔道練習中に亡くなった子供の数はゼロと分かった。日本はその数に近づき、最終的にこういった暴力を完全に止めなければならない」。

コーチの社会的立ち位置や教授法への敬意などの理由によって、この何百年にもわたって行われてきたタブーについて公に話すことは非常に難しい。罰を与えるのは若い選手たちが素晴らしい結果を出し性格を鍛えることを促進する「コーチングの技」としてみられている。「現場の人の中、実際に人権侵害であると分かっている人は極めて少ない。」と山崎氏は加える。弁護士である彼は「日本のコーチは悪意を持たず、本当に良い選手を作りたいと思っている。」と信じている。若い選手たちを黙らせることは「スポーツ業界の商品化が進みつつあることから、世界級の問題となる」と加える

スポーツにおける子供の虐待は日本特有の問題ではない。昨年、米国には女性体操チームの専用婦人科医でありミシガン大学教授のLarry Nassarは彼が30年間にわたるキャリアの中で性的暴力を与えた156人の女性に裁判で直面した。自殺した人もいるため、彼の犠牲者は裁判所に来られた数より多い。米国体操協会もこの男を30年もの間、若い女性と仕事をさせ、彼の行為に目をつぶり、若い女性選手の体操への情熱を地獄経験にしてしまったことに対し責任を負うこととなった。

参考資料 

Read More

日本における共同親権をめぐる議論

日本における共同親権をめぐる議論

私たちVoice Up Japanとして、日本における共同親権について、その現状を理解したい、なぜタブーなのかを知りたい、様々に論争が繰り広げられる本題に関して建設的な議論を構築したく執筆しました。ご意見などございましたら、ぜひ下のコメント欄にお書きください。