なぜ日本の学校健康診断は問題を孕んでいるのか

Photo Credit: Ai Masuda

著者・インタビュアー 好井杏梨
イラストレーション:増田愛

日本の学校一斉健康診断は日本教育の主要な一部である。しかし思春期の敏感な時期に、胸などのプライベートな部分を見せなければいけない事に不快感を感じる人が居る事実をこのインタビューを通し学んだ。自分の体についての最終決断は誰の権力からでもなく、自らができるようになるべきーーそう語る千葉県在住会社員の高田愛子さん。彼女は学生時代のある出来事がきっかけで学校検診方法の改革を求める署名活動を開始した。

           こんにちは。今回高田さんが始めるにあたった”思春期の子どもたちを強制的に裸にしないで!本人の同意を大事にした健康診断を実施してください”という署名について詳しく教えていただけますか。

始まりは私が中学の時の内科検診で、上半身裸で男性医師の前で検診を受けさせらたことです。断ることは許されず、思春期で敏感な時期であったこともあり、上半身裸で男性の医師に診てもらう事に不快感を覚えていました。それを養護教諭に相談するも、「みんな大人しく受診しているのに、そんなことを言うのはあなただけ」「医師がいやらしい目で見ているとでも思っているの?失礼だ」「そんなに嫌ならば、自費で病院を受診して診断書を提出して」などと怒られました。当時は子供だったので私も冷静に話せなかったのですが、すごい剣幕で怒ってくる大人たちを見て「検診なのに嫌だと思う私の方がおかしいのかな?」と思ってしまいました。それからも釈然としない思いを抱えて過ごしていましたが、ただ私が執念深いだけなのかと自問自答していましたね。

           この健康診断での出来事が今もなお、高田さんの社会人生活に影響を与えていると感じますか。

私は今でも着替えをする際にフラッシュバックが起こります。長い間、誰にも言えず心に留めていましたが、ある日、ある女性の著名人がSNSで自身の高校時代を振り返り、内科検診で無理やり体を押さえられ、男性医師の前で上半身裸を強要された事が今でもトラウマになっている、という投稿を目にしました。またその投稿には沢山の共感のコメントが寄せられていたんです。その時、この苦しみは自分だけじゃ無かったんだと思いましたね。変わらないといけないのは私じゃなく社会なのでは、と。そして、カウンセリングを受ける等して自分の中だけでトラウマを解決するより、まず自分の経験を生かして同じ境遇にいる方を助けたいと思いました。それから何か行動を起こしたいと思っていた時、VoiceUpJapanさんの声を上げるという姿勢に背中を押してもらい、署名活動を始めるに至りました。また自らの経験に、「裸を見せることへの羞恥心は(生物学的)性別問わずある」という一点を加え、この署名がどんな性自認にも対しても更にインクルーシブになったことで、より多くの人に共感して頂けると思いました。 

          具体的にはこの状況がどのように変わるべきだとお考えですか。この署名にどんな期待をされていますか。

署名の説明文にもあるように、学校健診の所管である厚生労働省に向けて、主に2つの提案をしています。まず厚生労働省が全国の医師や学校から意見を集め、子どもたちへのプライバシー配慮と検診の正確性の両立が可能な方法を検討して頂きたいと思います。例えば上半身裸という選択肢以外にも、Tシャツ+ブラジャー、Tシャツでブラジャー無し、バスタオル肩かけ、など沢山ありますよね。上半身裸以外の健診方法が誤診や見落としを招く恐れがあるのなら、それらがどれほどの確率であるかを説明し、最終的な決定権は子どもたちと保護者に委ねてほしいと思います。そして選択した検診方法とその誤診リスクへの同意を記録・保管してほしいと思います。そうする事で万が一誤診が発覚した場合でも、生徒や保護者の理解を得ている範囲であれば、学校側が責任を取らなければならない事態は免れることができます。またこうして国が動き、全国規模で学校の内科検診の方法が細やかに統一されることで学校や医師間の混乱を防げると思います。 次に、勤務医や休業中の女性医師からも広く協力医を集ってもらえるようにとの提案もしました。医師や学校が一方的に検診の方法を決めるのではなく、生徒の意思が尊重され、彼らが安心して検診を受けられる環境づくりをしてほしいですね。

          この問題について、もし誰にも言えず悩んでいる学生の方がいらっしゃったら、どのような声をかけたいですか。

裸を見せたくないというあなたの気持ちは全くおかしく無いし、そしてそんなあなたは一人じゃないです。あなたの体と心のことは最終的にあなたが決めることで、誰もあなたに強要して良い権利なんて持っていないのです。署名ではコメント欄で皆さまの体験談も募集していますので、是非シェアをしてください。皆さまの気持ちを伝えることで大人達に考え直してもらうきっかけになりますし、誰にも言えなかった思いを表現することで、気持ちが軽くなるかもしれませんから。

今回インタビューに応じてくれた高田愛子さん。千葉県在住会社員。(Credit: 高田愛子)

現在50名の方が署名中。この署名についての詳しい情報はこちら。

「Aiko Takada voices up on why health check-up at Japanese schools is problematic」への2件のフィードバック

  1. 私の娘も、裸に、なることを、かなり、嫌がってますし、脱がなくていい、病院もあります。 
    風邪をひいても、病院離れしています。
    学校側にうったえたところ、担任の返信は、虐待を見るためとの、返事でした。でしたら、ブラを、してもよくないかと、思います。
    もう少し、児童の気持ちを配慮してほしいです。

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